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【NETFLIX】パニッシャー【ネタバレ】

パニッシャー1周見て良過ぎて2周目見て色々書いては消し書いては消ししてたら全然まとまらないまま時間がだいぶ過ぎてしまいました。結局まとまっていませんが、もう一生まとまりません。

 

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 少し前に撤退がアナウンスされたNetflixのMarvelシリーズですが、どれも出来が良く、特にパニッシャーはシーズン1も良かったけれどシーズン2は本当に良かった。本当に撤退が残念でなりません。

なんとか延命の方法を模索して欲しかったですが、各社動画配信サービスに参入している昨今、ディズニー的にライバルになるNetflixにコンテンツを置いておく程お人好しではないという事なのでしょう。ビジネスですし仕方ないですね。

とは言え、デアデビルジェシカ・ジョーンズ、ルーク・ケイジアイアン・フィストに比べ圧倒的にバイオレント且つ退役軍人の不遇さのような社会的な問題や政治的な事もテーマになるので明らかに子供に向かない内容になっているのでディズニー直営の動画配信サービスよりもNetflixの方が向くように思うのですがね……。

 

上記のようにパニッシャーは暴力的な社会派ドラマではあると思うのですが、その一方でパニッシャーは家族愛を描いたドラマだとも思ってます。

 

以下パニッシャーネタバレ

 

シーズン1は主人公フランク・キャッスル/パニッシャーが家族を奪った軍時代の上官エージェント・オレンジと、親友ビリー・ルッソに復讐し、準主人公であるマイクロが失った家族を取り戻す話でした。

 

シーズン2では多くの登場人物が敵も味方もそれぞれ異なる形の家族との関わりを描いているのかなと思いました。家族同然の仲間を皆殺しにされた家出少女で準主人公のエイミーを筆頭に、最初に出会うシングルマザーとその子供、家族の為に生き残ろうとしながらも職務を全うしようとする若い保安官、保安官のダメな兄弟、病床の妻と残してきた子供を想う殺し屋ピルグリム、家族に裏の顔を見せまいとするロシアンマフィアのボス……。形は違えどそれぞれが家族を愛し、守ろうとしているように見えました。

フランクは殺された娘と年の近いエイミーを重ね、エイミーも(これまで家族同然の大人や年上の仲間に利用され、裏切られ続けていたのでしょう)信頼できる大人としてフランクを家族のように感じていたのだと思います。序盤では反抗ばかりしていたエイミーと、力で従わせようとしていたフランクも終盤では父娘のような絆で結ばれていました。

一方シーズン1でいたぶる為に自分を捨てた母親を飼っていたビリー・ルッソはシーズン2では記憶を失いジグソウとなりながらも孤児院で受けた虐待への恨みに燃えていたりと、彼は家族に対し憎悪を抱いていました。ジグソウを裏で操っていたデュモン医師も父親との関係性が描かれていますが、父親に愛され過ぎた結果無理心中を計られ、父親は死亡、本人はトラウマを残しているので「家族を愛し、守ろうとする」ような描写は弱かったように感じます。エイミーの命を狙うシュルツ上院議員の両親もまた、息子を愛しているように見せながらもその実は息子を自らの権力を確固たるものにする為の道具としてしか見ないような人間でした。

悪は家族を愛さず、フランクの考える正義は愛するように描かれていたのかなと。(ピルグリムとマフィアは悪役ですが、最終的にフランクには許されています。)

シーズン1での「家族を取り戻す」というだけでなく、シーズン2では様々なアプローチで家族愛が描かれていたり、フランクも「復讐」から「家族(エイミー)を守る」事をしていて、とても美しいシリーズになっていたと思います。第1話で良い仲になるシングルマザーと平穏な暮らしを送る事はいつでもできたと思うし、それがきっと賢い生き方だったのでしょうが、最後の最後までフランクはパニッシャーとして生きる方を選びました。それが悲しいけれど美しいパニッシャー/フランク・キャッスルの美学だったのでしょう。

結局何が言いたいのかと言うと、感情があちこちに向いてしまって全くよくわからないし一つもまとまっていないのですが、兎に角パニッシャーは最高のシリーズになっていて、絶対に終わらせて欲しく無かった(綺麗に終わってはいたけど)。あの過激なバイオレンスと細かな人物描写のバランスが出来たのはディズニーの看板の無い「Netflix制作」のヒーロー物だったからなのかと思います。

 

それではまた。

 

 

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